古民家再生奮闘記 4

理想と現実の葛藤

2024. 4 問題のある物件

内見を終えた私たちは不動産屋さんと別れ帰路につきますが、一度しか見ていないにも関わらず二人ともこの物件が非常に気に入り、帰りの車中でも今後の方向について勝手に盛り上がっていました(笑)
私自身、その家の建物や土地の持つ雰囲気・空気というのはある程度直感的に感じる要素も重要だと思っているのですが、その部分から見ても嫌な感じが全く無かったと言うのが正直な所でした。
ただ、この物件…全く問題が無いのかと言えばそうではなく、逆に販売物件としては致命的条件のある物件だったのです。
簡単に基本情報ですが…
・価格   ◯◯百万
・土地面積 500㎡以上
・建物面積 90㎡
・土地権利 所有権
・地目   宅地
・建築年数 昭和38年
・都市計画 市街化調整区域
・用途地域 指定なし
・但し書きとして
 (市街化調整区域のため、再建築に関しては役所に事前審査必要)

とまあ、簡単な広告に載っているような条件を書き並べただけで「ん?」となった方も大勢いらっしゃると思いますが…
そうなのです、この物件 “市街化調整区域” なのです。
一応補足としてご説明させて頂きますと…

秩序あるより良い街づくりのために設けられた都市計画法で定められた都市計画区域の中に市街化区域市街化調整区域があります。

・市街化区域
 既に市街地を形成している地域で、おおむね10年以内に優先的、かつ計画的に市街化を図るべき地域。
・市街化調整区域
 市街化を抑制すべき区域で基本的に住宅は建築不可。原則として積極的な開発行為や都市施設の整備は行われない。
 (既に建築されている物件のリフォーム、建て替えに関しても自治体への確認が必要)

簡単に言ってしまえば…
「様々なインフラ整備や施設の建設を広範囲に渡ってすることは不可能に近いので指定された市街化区域内において計画的に整備を行います。住宅はこの範囲に建てて便利に生活してください。
市街化調整区域内は農地や環境の保全を優先いたしますので、乱開発抑制のために建築物を厳しく制限をいたします。そのためインフラの整備等も積極的には行いません。」

と言った感じですかね?
とにかく不動産の価値的に見ても市街化調整区域を買おうという人はあまりいないと言うことです😅

2024. 4 負を上回る魅力?

市街化調整区域という条件に悩んでばかりもいられませんので、ここで改めて以前出した希望の条件を今回の物件に当てはめて確認してみますと…
・きれいな海のそばがいい!
 一番近くの海水浴場まで車で20分
・きれいな川のそばがいい!
 澄んだ水のきれいな川まで徒歩5分
・山に囲まれた地域がいい!
 山に囲まれ建物は山裾に建っています。
・近くに神社、もしくはお寺?
 徒歩1分の場所に神社とお寺
・近くにバス停、駅まで徒歩圏内
 バス停徒歩2分、駅まで徒歩15分
・横浜の職場の通勤圏内
 車で一時間半ほど(ちょっと遠い)
・土地、家屋、駐車場、平屋古民家については、概ね希望通りです。
・予算は500万フルローン
 これに関しては現時点で少々オーバーしておりますが長期に渡り様々な物件を見てきた経験から申しますと、神奈川県内でこの価格は破格だと思っています。
というわけで色々問題もありますが当初の希望に非常に近い物件なのです♪

そこで話は再び市街化調整区域の話題に戻りますが、建築の制限がありインフラが整っていない、再建築の認可が不透明、総じて不動産の価値は無いに等しい…
本来であれば九割の人が「仕方ない、他の物件を探そう」となる筈ですが、私たち夫婦…やはり普通では無いのかも知れません(笑)
「建築の制限があるなら隣に家が建つ事が無いよね?」
「電気と水道来ててプロパンガスあるなら他にいらないじゃん?」
「この環境を市が守ってくれるなんて最高♪」
「そもそも平屋古民家探してたんだから建て直す予定無し!」

と、自分で言うのも何ですが、呆れるほどの脳天気さ(笑)
そしてこのお気楽な感じのまま、いきなりの展開!
市街化調整区域と築60年古民家による弊害が思わぬ壁となる事も知らずにいよいよ!
銀行の住宅ローン審査へと望んでいくのでした!😱

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